巽のブログ

UTAUとかやってます

大明神式歌連続音についての考察と解説

大明神式歌連続音とは、UTAU音源の録音における録音方法の一つで、歌連続音を発展させたような録音方式です。
fransing、連呼式CVVCと同様に歌声に近いUTAU音源が作れるかもしれないと考案された方式です。

参考リンク
大明神式音源についての話題まとめ - Togetter
マグ・メルへ行く舟 音程がついた録音方法の違いってなんなのさ!!(歌連続音、大明神、連呼式)

Twitter上で口伝されてきた録音方式のため、仕様が定まってなく音源製作者が少ないのが現状です。

ゆ鳥さんのブログ記事では2音階の場合が解説されていますが、3音階以上の場合について解説&考察してみたいと思います。

音源の仕様

平坦に録音する2音階とその2音階を上下させたメロディで録音するのが従来の方法ですが、
3音階の場合は

  • 平坦に録音する3音階+3音階で隣り合う音階(大明神式部分)
  • 平坦に録音する3音階+収録音階の総当り(大明神式部分)

が考えられます。
便宜上前者をライト版、後者をフル版と呼びます。

ライト版

一例として、収録音階がそれぞれ、C3・G3・D4の場合、
通常の多音階音源と同様にC3・G3・D4と以下の隣り合う音階の録音が必要になります。

大明神式部分:C3←→G3

大明神式部分:G3←→D4

※画像は8モーラの場合、収録する音階のイメージです。

計7音階分の録音が必要になります。

フル版

フル版はライト版の大明神式部分に加えて

大明神式部分:C3←→D4

計9音階分の録音が必要になります。

録音

録音はC3←→G3の組み合わせの場合

かんかかきかくか
C3→G3→C3→G3→C3→G3→C3→G3

かんかかきかくか
G3→C3→G3→C3→G3→C3→G3→C3

の2パターン収録します。
連呼採の仕様上、フォルダを分けて別々に録音してください。
ガイドBGM・ガイドustも別々に用意してください。

ライト版とフル版の比較

現状フル版で録音されたUTAU音源がないため出音の比較はできません。

収録音階が4音階の場合はライト版が10音階分、フル版が16音階分になります。
フル版は上記の例でもC3←→D4という9度の跳躍が難しく、収録音階を増やすほど収録難易度が高くなり、現実的ではないかと思います。

oto.iniの生成

oto.iniの生成はsetParamプラグイン連呼採を使います。

setParamで連呼採を起動して、音源方式の選択で「喚起点・大明神式連続音」を選択します。

大明神式の場合もガイドustが必要になるのであらかじめ用意しておいてください。

ステップ2のオプションで「矢印を追加する(大明神式用)」を選択します。

「oto.iniの生成」を押せば大明神式用のoto.iniが生成されます。
あとは通常の連続音同様に原音設定を行ってください。

(もしも不具合があれば報告お願いします)

エイリアスについて

エイリアスは仕様が定まっていませんが、連呼採では「a あ↑G3」、または「a あ↑_G3」というエイリアスを生成できます。
矢印は原音が前の音節の音階から上下してるのを表しています。
大明神式ライト版ならこのエイリアスで良いと思われます。

フル版は少々工夫が必要で、C3→D4の場合は「a あ↑↑_D4」とエイリアスを書き換える必要があります。
もしくは喚起点音源のように「a あC3D4」か「a あC3_D4」とするのがいいかもしれません(このあたりは実際に使ってみないと分からないかも)

prefix.mapについて

prefix.mapは平坦に録音した分をデフォルトで使えるように従来の多音階音源と同様に設定します。

UTAUでの使い方

bizzさんが配布されている「僕の考えた最強のry Ver2.0」というUTAUプラグインが大明神式に対応しています。


現状の問題点

  • 大明神式専用のガイドBGMが配布されていない

音源が増えない理由はこれに尽きると思います。誰か作って!

音源がないことには始まらない…かもしれない
仕様を決めるのは君だ!

余談

  • 「上記の例でもC3←→D4という9度の跳躍が難しく~」と書きましたが、C3←→C4にしたほうが発声しやすいかも?

 このあたりは収録者が発声しやすい音階を決めましょう

  • 4音階構成のフル版大明神式の場合は最低音と最高音の組み合わせを抜くなど色々工夫の余地があるかなと思います。
  • いっそのこと通常多音階分を抜くという手もアリ