巽のブログ

UTAUとかやってます

REAPERでUTAU音源を録音しよう

今回はDAWソフト「REAPER」でUTAU音源を録音する方法を紹介します。

最終更新日:2022年9月28日

概要

DAWソフト「REAPER」のリージョン機能を活用してUTAU音源を録音する方法です。
普通にDAWで録音するより面倒な切り分けやリネーム作業が必要なくなり作業時間の短縮が見込めます。


必要なもの


事前準備

REAPERをインストールする

REAPER | Audio Production Without Limits

各OS環境に適したものをダウンロードしてインストールしてください。
REAPERは最新版がおすすめです。

REAPERを日本語化する

製品版REAPER日本語化パッチ(森)
Home · Phroneris/ReaperJPN-Phroneris Wiki · GitHub

日本語化パッチのインストール方法は配布先の解説を読んでください。

バイスを設定する

REAPERのウィンドウ右上、または[オプション]→[環境設定]からデバイス設定を開いて、マイク等を設定してください。


リージョンをインポートする

[表示]→[リージョン/マーカーマネージャー]からリージョンマネージャーを開く。

リージョンマネージャーの表のあたりを右クリックして[リージョン/マーカーをインポートして置換]を選択。

ここからダウンロードしてきたリージョン用のcsvファイルを選択して開く。

インポートできるとこのようになります。


ガイドBGMを並べる

新規トラックを作成(Ctrl+T)
作成したトラックにガイドBGMをドラッグ&ドロップして、トラックの頭まで移動させます
ドラッグ&ドロップしたガイドBGMの右端にカーソルを合わせクリックしながら右に引っ張るとループ設定ができます。

1ループ8秒(4小節)のガイドBGMが最適です。
まいこさんが配布されているガイドBGMであればすぐに並べられます。

ガイドBGMが8秒ちょうどでなければ、ループさせたい範囲を選択して右クリック→[アイテム内の選択範囲をループとしてコピー]をして同様に設定してください。


録音する

新規トラックを作成(Ctrl+T)

録音時のオプションはテープモードに変更しておくのがおすすめです。
[オプション]→[録音時に既存のアイテムと重なった場合]→[既存のアイテムを新規録音で侵食する(テープモード)]

トラック左側の録音待機ボタン(四角に丸のボタン)を押すと録音待機状態になります。

録音を開始してガイドBGMに合うように各リージョンの録音リストを発声してください。

録音できたらこのようになっていると思います。

録音トラックは一つのトラックに収まるようにしてください。


レンダリングする

[ファイル]→[音声ファイルにレンダリング]からレンダリングします。
レンダリング設定は以下の通りです。

対象 ステム(選択トラック)←録音したトラックを選択しておく
範囲 プロジェクトのリージョン
ディレクト 任意のディレクト
ファイル名 $region
サンプリングレート 44100Hz
チャンネル Mono
出力形式 WAV
WAV bit 深度 16bit PCM

時間範囲が「○個のリージョン」となっているか確認し、[○個のファイルをレンダリング]から出力します。
これで録音と切り出しが完了です。おつかれさまでした。


メリット

  • ASIOなどのオーディオドライバが使えるので低遅延で録音できる
  • 残りの録音時間が分かりやすい
  • ノイズ除去などの加工がすぐにできる
  • 録音後すぐにテスト歌唱ができる(※1)
  • ガイドBGMのテンポやピッチ変更が簡単(※2)
  • 切り分けやリネーム工程が不要



補足

(※1) 録音後すぐにテスト歌唱ができる

これが最大のメリットだと思います。
連続音であれば発声位置と原音設定が合うようになってるので録音後すぐに歌わせることができます。(収録者のリズム感が良ければ)
setParamの連続音oto.ini生成の設定は以下のようになります。

また、前後の無音をトリミングしたい場合は予めトリミングしてからoto.iniを生成することをおすすめします。
無音のトリミングはsetParamの[ツール]→[wavファイルの一括編集]→[wavの両端を一括カット]でできます。
発声開始位置の設定はトリミングした分変えてください。

(※2) ガイドBGMのテンポやピッチ変更が簡単

ピッチの変更はアイテムを選択してShift+9で-1、Shift+0で+1
テンポを変更するとガイドBGMのテンポやリージョンも追従して変更できます。
※変わらない場合は
日本語:[ファイル]→[プロジェクト設定]→[アイテム、エンベロープ、マーカーの時間基準]の項目を拍(開始位置、長さ、再生速度)に変更する。
英語:[File]→[Project settings]→[Timebase for items/envelopes/marker]の項目をBeats(position, length, rate)に変更する。

参考:タイムベースの変更
タイムベースの変更:Reaper [いかたこのたこつぼ]

REAPERのバージョンについて

無料版のv0.999は不具合が発生しやすいので、できるだけ最新版を使うのがおすすめです。
最新版でも60日間は無料で試用できます。気に入ったら課金しましょう。

カラーテーマについて

今回はリージョンが見やすい「Unempty Minima 80」というカラーテーマで解説しています。
しかし、モニターの解像度等環境によってはリージョンの文字が見づらいと思います。
そこで以下の記事の方法がおすすめです。あわせて参考にしてみてください。
tatsu3.hateblo.jp


多音階で録音する場合

新規録音トラックを追加してガイドBGMを差し替えたり先述のガイドBGMのピッチ変更をすることで音階の追加が簡単にできます。
ガイドBGMの差し替えはアイテムをダブルクリック、または右クリック→[アイテムプロパティ]を開き[新規ファイル選択]からできます。

リージョンの編集について

リージョンはCSV形式でインポート/エクスポートできるのでExcelスプレッドシートで編集できます。
リージョンを変更すれば連続音に限らず単独音やCVVC音源も作成できます。

2020年7月14日追記
CrazYさんから「録音リストからリージョンを生成するツール」が配布されました。
録音リストからリージョン生成するツール - BowlRoll

exeを起動するとこのような画面が出ます。
使い方
1行ごとの発声の長さと余白の長さを入力します。
(両方を合わせてガイドBGMの1ループの小節数になるようにします)
録音リストのパスを入力してEnterを押すとリージョンcsvファイルが録音リストと同じフォルダに生成されます。

録音リストのパスは、Shiftを押しながらファイルを右クリックすると右クリックメニューに「パスのコピー」が出てくるのでここでコピーします。

なんで5小節目から始まってるの?

1~5小節までは準備時間(のつもり)です。

他のDAWで収録したい場合

REAPERが使えない環境、または他の使い慣れてるDAWで収録したい場合はwavDividerの「(一定の間隔で)自動ラベリング」する機能を活用すると便利です。
↓解説記事
音楽とかソフトとか wavDivider ver.2.8
↓wavDivider配布先
https://ja.osdn.net/users/nwp8861/pf/wavDivider/wiki/FrontPage


参考にさせていただいた動画
【UTAU講座】OREMOを使わない連続音録音&お手軽多段階音源の作り方 - ニコニコ動画





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