UTAU音源の原音設定のコツについて
UTAU音源(主に連続音)の原音設定のコツについて
フォロワーさんへ個人的に送った文章が長くなったので公開します(掲載許可済み)
【音源を録る段階のお話】
できるだけ高音質で録音する
高音質で録音すると
・原音のスペクトルが見やすくなる→setParamで原音設定しやすくなる
・原音設定の自動推定の精度が上がる
・周波数表推定の精度が上がる
・ある程度の音声加工に耐えうる
・ノイズ除去をしなくてもよい/最低限で済む
以上の理由からできれば最初から高音質で録音できる環境を導入するのがおすすめです。
(予算の範囲内でね!)
連続音の原音設定を楽するために
OREMOで録音するとどうしても固定値で生成したoto.iniとズレます。
これを回避するためにはOREMOを使わない、という選択肢もあります。
(ただし、OREMOのオーディオI/O設定でPortAudioで録音する設定にするとズレにくくなります)
REAPERでUTAU音源を録音しよう - 巽のブログ
【ここから原音設定のお話】
setParamを使う
連続音は単独音やCVVCに比べてとにかく設定する量が多いです。
そのためできる限り効率よく設定していく必要があります。(モチベのためにも)
原音設定専用ソフト「setParam」を用いることで効率をアップさせましょう。
setParamは原音設定に関することならなんでもできます。
操作を覚える
setParamはマウス操作だけでも設定できますが、
キー操作と併用することでより速く設定できるようになります。
setParam - UTAU音源制作wiki - atwiki(アットウィキ)
www.slideshare.net
連続音では上記スライドのP27,28の「連動させる」設定が大事です。
【慣れてきたら】
外部ソフトでキー操作をカスタマイズする
上記の操作を覚えることに加えて手元の指の移動を極力少なくすることにより更に効率アップを図れます。
https://twitter.com/tatsu3/status/1394667746730811394
https://twitter.com/tatsu3/status/1308383248758702085
上記のツイートの「Keyboard Butler ~鍵盤の執事くん~」は一例ですが、
外部のキーカスタマイズソフトや、
ネットゲームやイラストソフトで用いる「左手デバイス」などをカスタマイズして原音設定してる人もいます。
デメリットとしては外部のキーカスタマイズソフトを使う場合、エイリアスの編集の際に切り替える手間があるので補助デバイスを用意するといいかもしれません。
※追記、Keyboard Butlerでは設定で「setParam 4.0-b200412」を対象のウィンドウタイトルに指定すればセルウィンドウでは無効になりエイリアス編集の際にも切り替えが不要になります。
原音設定のコツについて
連続音は主に先行発声の位置が大事になってきます。
各パラメータの位置の決め方は波形やスペクトルを見て決めますが、最終的には「経験と勘」です。
こればっかりは本当に経験と勘によるものですので「これです!」といったものはお教えすることができません。
ただ、難しいものではなく、波形とスペクトルを見比べてなんとなくわかるようになってくるものでもあります。
「カ行・サ行・タ行」のようにわかりやすいものもあれば、
「ア行・ヤ行・ワ行」のように経験者でも間違えるものもあります。
(間違えやすいものはsetParamの発声タイミング試聴機能などで確認します)
原音設定の資料はいくつかありますが情報が古くなっていたりするものもあります。
色々な資料や音源の原音設定を見比べて自分にあった方法や考え方を見つけましょう。
ここまで色々書いてきましたが最終的に『UTAわせられればOK』です。
setParamやMoresamplerの自動推定の質も悪くはないので「正しく」活用できると楽になります。
UTAU音源制作者の中には基本は自動推定のみの設定でUTAわせたときにおかしいところだけ修正する、という方も少なくないです。
私みたいにこだわる人は自動推定してから全部の行を設定します。
どのくらいのレベルを求めるかは個人の自由です。