前置き
UTAU音源では「特殊音素」と呼ばれる音源を拡張する要素がありますが、「音素」という言葉は音声学における音声の最小単位の名称なので、このシリーズでは「特殊音素」ではなく「特殊発声」と表現します。
「考える」という名目で、私なりの考えを書き記したものであり、必ずしも正解を示しているとは限りません。ご了承ください。
エッジボイスとは
別名「ボーカルフライ」
喉(声帯)を軽く閉めながら発声し、声が小刻みに途切れ途切れになるような発声方法。
主にバラードのようなゆったりとしたテンポの曲に使われる。
映画の呪怨の声と例えられることもある。
歌手でいうと平井堅さんがよく使っている発声方法。
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UTAUにおけるエッジボイス
UTAUでエッジボイスが使われるようになったのは2011年頃からと記憶している。
【UTAU】muddy cloud【寒音ビクタ】
www.nicovideo.jp
【葉月木葉】自作音源で曲を歌わせる【連続音源配布】
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しかし、その頃にはあまり広まらず、UTAU界隈にエッジボイスの存在が広く認知されるようになったのは闇音レンリの音源配布動画がきっかけのようだ。
【闇音レンリ追加音源配布】エンゼルフィッシュ【UTAUカバー】
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録音について
エッジボイスの発声は慣れていないと喉に負担が掛かったり発声自体のコントロールが難しいため、連続音で網羅するのはやや難しいと思われる。
そのため、単独音やCVVC形式で収録するのが望ましい。
CVVCであれば2モーラ、3モーラあたりの少ないモーラ数が適してる。
実際に歌に使われるのは歌い出し(UTAUでいうと[- ○]の音節)が多く、単独音だけでも充分活用できる。
参考
Number Bronzeの統合音源「beach《sand》」は2モーラCVVCで収録されたエッジボイス音源。
原音設定について
闇音レンリedge_単独音をお借りしました。
エッジボイスになっているかすれ部分を子音とみなし、母音が安定し出した間に先行発声を置く。
発声タイミングを調整したい場合はUTAU調声の際に音符のプロパティで先行発声の値を調整するとよい。
子音のある音節の場合は母音にエッジが掛かるため通常の子音と母音の境に先行発声を置くスタイルの原音設定で良いと思われる。
エイリアスについて
エッジボイスを搭載しているUTAU音源を調査したところ、エイリアス表記については統一されておらず、各音源で独自のエイリアスが設定されている。
参考に配布されている音源のエイリアス表記は以下の通り。
闇音レンリ
単独音:['あ]、連続音:[- あ']、語尾:[a -A3]
(いずれも母音のみ)
Number Bronze beach《sand》
[- あ砂_A3]などのCVVC形式
戯白メリー 太神楽
[- あ'A3]の母音のみの連続音形式
塩音ルト_エッジボイス連続音
[- あeC4]の連続音形式
擬似的に再現する
原音を加工して擬似的に再現することも可能である。
VocalShifterで編集する方法
似非エッジボイスの作り方。VocalShifterで画像のようにDYNをギザギザにするだけ。加工するとこのようになります→ http://t.co/JUwhVfc0mr pic.twitter.com/fAccu2Kjmx
— 巽🌒 (@tatsu3) 2015年9月30日
波形を切り貼りする方法
1. 母音始まりの音源をDAWか波形編集ソフトで開く
— やすたんげ@虚無 (@anco8pizz) 2020年4月15日
2. 先端一周期くらいをコピー
3. 別トラックにコピペしてランダム且つだんだん間隔が狭くなるように並べる
(僕は闇音レンリちゃんのエッジを参考にしました)
4. 音量をフェードインさせ、元の音源の頭にかぶせる pic.twitter.com/icfa5dbbKt